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「TOKYOGUNS」こと岩瀨匠氏は、ストリートファッションとモンスターを絶妙に融合させ、最高の創造力を持つクリエイター。彼がデザインしたものは独自性と創造性に溢れている。どのような方法で好きな物や事を人気作品になるのか?今回は岩瀨さんに、香港で初めてデザインしたソフビの話から最新代表作『怪獣スニーカーヘッド』の創作秘話、デザイナーになったきっかけまで、気になることをインタビュー。彼のこだわりと情熱を感じましょう!
玩具人:『TOKYOGUNS』という名前は、どんな意味が込められているのか、教えてください。
TOKYOGUNS:学生時代に苗字、「岩瀬」の「岩」からあだ名が「がんちゃん」と呼ばれていた事と、東京で育ち東京が大好きなのでこのアーティストネームにしました。「TOKYO」がグローバルな認知になり世界に出ても日本出身のクリエイターだと認識してもらえるだろうことも意識しました。
▼「TOKYOGUNS」こと岩瀨匠氏。
Image credit:takumi_iwase
玩具人:学生時代は何を専攻されてましたか? これまでに他にどんな仕事をされていましたか?
TOKYOGUNS:学生時代は空間演出専攻でウィンドウディスプレイや店舗の空間などのデザインを勉強していました。 立体的な感覚や演出も学生時代に培ったと思います。 今でも時々、自分がデザインした商品のお店の売り場のちいさな空間を演出までするお仕事もあります。
学生時代にMachintoshPCと出会い、コンピューターで色々なデザインをできる事を知り独学でイラストやグラフィック作品を制作に没頭しました。音楽好きだったのをきっかけに、クラブのフライヤーを学生時代からデザインをてがけ、卒業と同時に会社に就職せずにフリーで仕事を始めました。
▼岩瀨匠氏は、テレビ東京系列で放送されていたバラエティ番組『ココリコミリオン家族』のタイトルやイラストデザインを担当しました。
Image credit:WADROCK
20代で経験は浅かったですが運良く色々な方々に声をかけていただき、ライブハウスのキャラクターやCDジャケットなど音楽関連やテレビの仕事をたくさんいただきました。
同時に趣味だったオートバイの仕事も増え、趣味や好きなシーンで活動することができ、高校時代から集めていたスニーカーのブランドのNIKEとも仕事ができたのは嬉しかったです。
▼Nike『FREEDOM FOOTBALL』CM シリーズで、岩瀬匠氏によるデザインのキャラクター「ザ・システム」。
Image credit:WADROCK
玩具人:どのような経緯で自分の玩具を発売し始めたのですか?
TOKYOGUNS:2003年ごろに香港のおもちゃメーカーに声をかけていただき自分の趣味や好きなファッションを織り込んだ、ストリート感が感じられる自分の欲しいフィギュア(ソフビ)をデザインしていきました。
▼岩瀬匠氏が2003年にデザインしたソフビフィギュア。
玩具人:よろしければ、最初のフィギュア作品をご紹介いただけますか?
TOKYOGUNS:これは1999年ごろに生産された、ライブハウス赤坂BLITZのキャラクターです。小さいキーホルダーでしたが、初めて自分のキャラクターが立体商品になった事に大変感動したのを覚えています。
▼岩瀬匠氏がライブハウス“赤坂BLITZ”のためデザインした公式キャラクター「b」。
Image credit:ラクマ
Image credit:TOKYOGUNS.COM
玩具人:どうすれば素晴らしいソフビ作品を完成できるのか、ご紹介いただけますか?
TOKYOGUNS:自分の好きなものを追求することでしょうか。 僕はまだ造形師さんに原型をお願いいていますが、自分のテイストをしっかりと理解してもらい、こだわりも重要ですがそのこだわりがちゃんと説明でき、理解してもらうことも大切ですかね。
玩具人:どのような場所で作品を作りたいですか?スタジオの様子を教えてください。
TOKYOGUNS:イラストやPC作業は自宅で行っています。作業部屋は狭いです。色々なプロダクトに携わるようになり、作品が少し散らかっています。
スニーカーは棚を作って飾ってありますがすぐに手に取れるようにしてあります。ソフビは自分で塗装していますが、部屋が汚れるので別にアパートを一部屋借りて塗装はそちらで作業しています。壁は汚れてもいいようにしてあり、心配せずに作業できます。
玩具人:過去に作ったフィギュア゙の中には、どれが一番好きですか?その理由は?創作過程で最も印象に残った作品はどれですか?
TOKYOGUNS:今回の怪獣スニーカーヘッドが一番好きですね香港で作っていたフィギュアもいいのですが、言葉や理解の壁があり伝わらず妥協した部分が多いです。
怪獣スニーカーヘッドは販売までにかなり苦労しましたし、一度諦めようとしましたが、なんとかリリースできて本当に良かったです。ソフビの塗装も未経験でしたし、一から道具を揃えたりコツを掴むまで大変でした。しかしその分、自分の手を通り過ぎてお客様の手にわたる為、愛情も深いですね。
玩具人:普段はどんな方法でインスピレーションを得ていますか?
TOKYOGUNS:アイデアはストリートやファッションからもらう事が多いです。 社会への皮肉をスパイスとして込めて作品作りをしています。仮面ライダー+スニーカーなど、好きな物や事をつなぎ合わせて新しい物を生み出すことが得意です。
▼バンダイによる、歴代「仮面ライダー」作品をフィーチャーしたファッションブランド『HENSHIN by KAMEN RIDER』で、岩瀬匠氏が手掛けたスニーカーも多数あります。
Image credit:プレミアムバンダイ
玩具人:ご自身の作品以外に、コレクションしているおもちゃなどはありますか?最近、特に新しいおもちゃに夢中になっていますか?
TOKYOGUNS:おもちゃでは僕は平成仮面ライダーとガンダムが好きです。
ガンダムは全てではありませんが、気になったプラモデルやFIGURATIONを集めています。ただ作る時間があまりなく、「積みプラ」になっています。 ライダーはメディコムのリアルアクションヒーローズをいくつかコレクションしています。メカが好きなので、ロボット系が多いですね。あとは日本の古い玩具ですが、「けん玉」をするのが好きです。
玩具人:創造活動以外の趣味は何ですか?
TOKYOGUNS:好きなことを仕事にすることが多いので、仕事が趣味の延長になっています。犬を飼っているので、愛犬と遊ぶことと、車が好きなので運転している時間が好きで犬を乗せて家族と車で出かけることに幸せを感じます。
奥さんもデザイナーなので、展覧会を観に行ったり、デザイン書籍を読みに行ったり、インプットを欠かさないようにしています。
▼岩瀬匠氏の愛犬“ガブくん”。
玩具人:『怪獣スニーカーヘッド』の創作秘話やコンセプトについてお教えいただけますでしょうか。
TOKYOGUNS:昔からブーツやスニーカーが好きでたくさん所有していました。 当時バイクによく乗っていたのでブーツはレッドウィングからホワイツ、スニーカーはNIKEはもちろんバンズやコンバース、家の下駄箱は僕の靴で溢れていました。 実はスニーカーヘッドシリーズは30年以上前に原型になるアイデアを描いています。
▼岩瀬匠氏の愛用車は、トライアンフから発売されたネイキッドバイク『Triumph Bonneville T120』。
Image credit:Instagram
その後、そのアイデアは仕事でパンクバンドのツアーグッズでコンバースのシューズモンスターのイラストになり使用され、また自分のブランドで「MADSTEP」というシリーズでペンダントトップやキーホルダーをシルバーアクセサリーで展開し販売しました。どれもブーツや靴のソールが剥がれて大きく口を開けているモンスターです。
スニーカーを熱狂的に収集している人をスラングで「Sneakerhead」と呼ぶことから以前のスニーカーモンスターに身体をつけ、2019年に「Sneakerheadz AJ」をミニソフビシリーズとして制作し販売しました。
高さ12cmほどの小さめなソフビ人形です。
▼岩瀬匠氏がデザインした「Sneakerheadz AJ」。
Image credit:TOKYOGUNS.COM
昨今のスニーカーのブームがきっかけでスニーカーにまつわるグループアート展示に参加した際に、スニーカーは時代を超えてブームが波のように襲来しますが、毎度大きなムーブメントをおこすモンスターのようだと日々感じ、原宿の街を暴れている「怪獣スニーカーヘッド」の元ネタを展示作品として描きました。
Image credit:TOKYOGUNS.COM
その頃、ちょうどバンダイの仕事で「ゴジラシリーズ」のソフビをデザインしていたのですが、やはり以前香港で展開していたフィギュアのように、「少し大きなソフビ」の方が、所有感と満足感を得られるなと感じ、パシフィック・リムなどの映画で「KAIJYU」とそのまま呼ばれるほど浸透していることもあり、海外でもうけるかもと「怪獣ソフビ」を製作しようと決めました。
▼岩瀬匠氏は英語名前“TAKUMI IWASE”でバンダイによるブランド『Fantazzzy TOYS』のデザインを手掛けしました。
Image credit:プレミアムバンダイ
やや大きめなソフビの為、製作費も以前よりかなりかかってしまい、自分の愛車とスニーカーを売りお金を捻出しました。足裏のディテールやその元のイラストの怪獣を可愛く親しみやすいデザインにディフォルメして現在の「怪獣スニーカーヘッド」が誕生しました。
玩具人:最後にもう一つ質問させて下さい。 あなたにとって、"TOYは何ですか?"。
TOKYOGUNS:おもちゃはおもちゃですが。 しかし、夢や創造の塊でもあり、アイデアでもある喜びを与えてくれる「小さな幸せ」だと思います。 おもちゃをきっかけに知ることや世界。いろいろな可能性を秘めた種(タネ)だと思います。
このインタビューでは、岩瀨匠氏の創作過程やインスピレーション源について掘り下げた。デザインに対する情熱とこだわりを感じた。この度、TOY PEOPLE は「TOKYOGUNS」とコラボレーションし、TOY PEOPLE 限定版「怪獣スニーカーヘッド」を発売することが決定しました。抽選販売の登録が開始されました!。創造性と個性に溢れるソフビ作品をぜひお楽しみください!
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